読書 : 平凡 角田光代
角田先生の短編集。どの話も面白い。短編なので大きな事件が起こるわけではなく、日常のちょっとした事件で、もしかしたら、、、を描いた作品。
好きなのは、最後の[どこかべつのところで]。庭子(名前がもうアラフォー世代、親しみが湧く)が、猫のピョン吉を探しながら、もしもあの時のあの行動がなければ、ちがったもう一人の自分がいるかもしれないと考える。
次に、子供の時に車にぶつかり犯人を許すとした[月が笑う]と、居酒屋トラに潜入捜査する[いつかの一歩]も哀愁漂う。全体的に、離婚や別れの話が多く、もし、あの時こうしていればと思う、その心情を扱った作品。
角田先生は食レポも良いけど、何気ない日常の心情物も面白い。