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読書 : 盆踊りの戦後史 大石始

盆踊りの戦後史 ――「ふるさと」の喪失と創造 (筑摩選書)

盆踊りの戦後史 ――「ふるさと」の喪失と創造 (筑摩選書)

  • 作者:始, 大石
  • 発売日: 2020/12/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


とあるサイトで紹介されているのを見つけ、勉強のために、早速日本橋図書館で取り寄せ。


大正時代のレコード普及、戦後の復興期、高度経済成長期と団塊ジュニアニュータウン創生期、東日本大震災後の復興期に、地域のコミュニケーション手段やふるさと創生として、または世の復興の象徴として盆踊りが発展。それを戦後史としてまとめたのが、本書です。


大正以前にも盆踊りはあったらしいが、今とは完全に別物で、一度断絶があり、健全な物(残念ながら不健全な歌詞、不健全な行いの物だったらしい、、、)として発展したものが現在の盆踊りらしい。


盆踊りは、勝手に日本の伝統芸能のようにイメージしていましたが、全国的に広がっている[バハマ・ママ]、[ダンシングヒーロー]はそもそも音頭でもなく昭和の曲なので、歴史としては新しい物でしょう。

また、学生さん達が企画する[鴨台盆踊り大会]も東日本大震災後に再開されています。

自分は、東日本大震災後の盆踊り参入組なので妙に納得。この時期に盆踊りに広がりがあったのですね。SNSや、Youtubeなどが広がったのもこの時期で、地域性が高かった盆踊りはよりオープン化になりました。


2020年の夏はコロナ禍により、盆踊り大会はほぼ壊滅。また、現在(20211月末)でも、まだまだ収束は見えません。当初言われていたように収束には本当に数年かかりそうですね。もうしばらくはリモート盆踊りで我慢になりそう。


アフターコロナについては、著者は、商業イヴェント(イベントの事)化による赤字や、また止めるタイミングを探していた地域の盆踊りは消滅するだろうと、警鐘を鳴らしています。

しかしながら、今回の未曾有の危機後には、新たな盆踊り復興期として歴史に刻まれると良いですね。少なくとも[リモート盆踊り]は、地域の祭りから、グローバル参加型イヴェントとしての新体験をもたらしましたし。明るい未来に期待したい。