日本橋生活 盆踊りなど日々の記録

盆踊り、旅行あとは読書

読書 : Men without women Haruki Murakimi

短編集。[Yesterday]と[Kino]が良かった。著者は[ノルウェイの森]が有名だが、今回の[イエスタデイ]も傑作。


Yesterday is two days before tomorrow, The day after two days ago. 

(昨日は明日の2日前、2日前の次の日)


Kita-kunが、ふざけているのか、本気なのか分からない変な奴。彼女のErikaは毎晩夢の中で、氷の月を眺めているような、愛いやつ。

Every night we’d snuggle close and gaze out the porthole at that moon made of ices.

(仮約 : 毎晩、私達は近くに寄って、丸い窓から氷でできた月を眺めている。)


過去を振り返る思い出話になっており、読みながら、ビートルズのあの悲しいメロディが甦る。。。

why she had to go...


印象に残った一文は、イタ飯屋でのこちら。

 - I pictured a healthy plant outgrowing the pot it had been planted in.

(仮約 : プラントの中で育ち過ぎた健康な植物を思い浮かべた。🪴)

気持ちが膨れ上がった時の表現。溢れ出てます。


次に、[Kino]はバーの経営を始める所など読んでいて楽しいが、最後の熊本ホテルが怖い。


Someone was knocking on his door. Not a loud knock but a firm, compact sound, like that of a skilled carpenter pounding a nail.

(仮約 : 誰かが彼の部屋をノックしていた。うるさくもなく静かでもなく、その小さな音はまるで熟練の大工が金槌で🔨のようなノックだった。)

ひゃー😂、不気味な雰囲気でてる。何者が来たの?


The room was as hushed as the far side of the moon.

(仮約 : 部屋は、まるで月の反対側のように静かだった。)

ノックが鳴り止んだ時のこの静けさ。ふうー😓。異次元に飛ばされたような、無音の世界。。。


まだまだ恐怖は続きます。

この作品は解釈が難しく、読書に委ねられます。

-The ambiguous ambiguity was precisely this, holding on to an empty space between two extremes.

? ^_^ (ambiguous ambiguiy) 重ね言葉のように見えますが、(曖昧な両犠牲)のような意味でしょうか?

(仮約 : 曖昧な両義性は、正確には両極端の間に空洞を持っている。)

 

両義性では、矛盾したものが同一に存在する事ができないので、結局は中心の空洞がありそこに落ち着くようなイメージ?


 1. The man(Kamita)とThe woman(with wounds on her body)

 2. The catとThe snakes

 3.The bloody weight of desireとThe rusty anchor of remorse

 4.ForgetとForgive など

両義性と思われるモチーフが沢山でてきましたが、全て中心には空洞があり、そこには猫も蛇も両方いる。


最後に[Samsa in love]も面白い作品。


昔行ったプラハの黄金小径を思い出しながら読むと良い感じ。橋があり、丘があり。


HE WOKE TO DISCOVER that he had undergone a metamorphosis and become Gregor Samsa.

(仮約 : 彼は、ザムザに[変身]している事を、目覚めた時に発見した。)

The world was waiting for him to learn.

(仮約 : 世界は彼に学ばれることを待っている。)


そう、ザムザは今生まれたばかり。そして、恋を始めたばかり。戦車、兵隊が周りを取り囲んでいたとしても。


Men Without Women: Stories (English Edition)

Men Without Women: Stories (English Edition)